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外側上顆炎に対する超音波療法と体外衝撃波療法の比較

外側上顆炎に対する超音波療法と体外衝撃波療法の比較

Comparison of ultrasound and extracorporeal shock wave therapy in

lateral epicondylosis


Yalvaç B, Mesci N, Geler Külcü D, et al. Comparison of ultrasound and extracorporeal shock wave therapy in lateral epicondylosis. Acta Orthop Traumatol Turc. 2018 Sep;52(5):357-362. doi: 10.1016/j.aott.2018.06.004. Epub 2018 Jun 28.

PMID: 30497658; PMCID: PMC6204478.


No.2021-09

執筆担当:関西福祉科学大学 保健医療学部 リハビリテーション学科 梛野浩司

掲載:2021年4月13日


【論文の概要】

外側上顆炎(Lateral epicondaylosis: LE)は前腕伸展筋群と外側上顆の痛みを伴い、日常生活動作を制限する。LEに対する保存療法として、寒冷療法、体外衝撃波(extracorporeal shock wave thrapy: ESWT)、超音波(US)、レーザー針治療、マッサージ、運動療法、薬物療法などがある。

本研究の目的は、LEに対するUSとESWTの治療効果を比較することであった。対象はLEと診断され発症から3ヶ月以上経過した50名(年齢16-65歳)とし、無作為にUS群とESWT群に振り分けた。US群では周波数1MHz、出力1.5W/㎠にて連続波を1日5分、1週間に5日実施し合計10セッション行った。ESWT群では周波数10-15Hz、圧力密度1.5-2.5、2000パルスにて1週間に1度、合計3セッション行った。評価は治療開始時、終了後、終了1ヶ月後の3回行った。評価項目は痛みについてVASと圧痛閾値、筋力については握力、機能評価についてはThe disability of the arm, shoulder, and hand socre(DASH)とPatient-rated elbow evaluation(PRTEE)、そしてQOLの評価としてShort Form-36(SF-36)であった。

結果、US群およびESWT群ともに治療前後で比較するとVAS(両群ともp<0.0001)、疼痛閾値(両群とも p<0.0001)、握力(p=0.001 vs p=0.015)、圧痛閾値(両群とも p<0.0001)、PRTEE(両群とも p<0.0001)、QDASH(両群とも p<0.0001)、SF-36(p=0.001 vs p=0.005)と有意に改善した。また、治療前と治療終了1ヶ月を比較すると両群とも有意に改善しており治療効果が1ヶ月持続することが確認できた。2群間の比較では圧痛閾値のみESWT群が有意であり、それ以外は2群間で差がなかった。


【解説】

ESWTは非侵襲的な治療法であり、もともとは体外衝撃波結石破砕術からその物理理論を基礎に、難治性骨癒合や遷延性骨癒合に対する治療として開発された1,2)。衝撃破はまず生体内に入ると細胞骨格の付属物を活性化し、細胞核からのmRNAの放出につながる。これに続いてミトコンドリアや小胞体などの細胞器官と細胞小胞が活性化され、治癒過程を促進する。超音波についても同様のメカニズムが報告3,4)されているため、本研究におけるUS群とESWT群の治療効果に差がなかったことも納得である。しかし、USに比べESWTでは治療回数が少ないことを考えると臨床的有用性としては優れていると考えられる。


【引用・参考文献】

1. Valchanou VD, Michailov P. High energy shock waves in the treatment of delayed and nonunion of fractures. Int Orthop 1991;15:181–184.

2.  Schleberger R, Senge T. Non-invasive treatment of long-bone pseudarthrosis by shock waves (ESWL). Arch Orthop Trauma Surg 1992;111:224–227

3. Dyson M, Suckling J. Stimulation of tissue repair by ultrasound: A survey of the mechanism involved. Physiotherapy 1978; 64: 105-108.

4. Dyson M, Pond JB. The effect of pulsed ultrasound on tissue regeneration. Physiotherapy 1970; 64: 105-108.


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