一般社団法人
日本物理療法学会
Japanese Society forElectrophysical Agents inPhysical Therapy
日本物理療法学会 理事長挨拶

一般社団法人 日本物理療法学会
理事長 山口 智史
京都大学 医学部人間健康科学科 先端理学療法学講座 教授
平素より、一般社団法人日本物理療法学会に格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。このたび、2024年より理事長を拝命いたしました山口智史です。
本学会は、1993年に物理療法研究会として発足し、2017年には一般社団法人として新たな一歩を踏み出しました。本学会の揺るぎないミッションは、リハビリテーションの分野で物理療法を有効に活用し、その効果を最大限引き出すことで、対象者の利益を追求することです。この目的を達成するために、学術団体として物理療法に関する研究、教育、専門知識の促進および普及を図り、物理療法学の発展と充実を通じて医療の向上、さらには物理療法学の科学的体系の構築に寄与してまいりました。
前理事長である庄本康治先生は、卓越したリーダーシップのもと6年間にわたり本学会の再組織化を進められ、①学術大会及びセミナーの開催、②各種研修会の開催、③学術出版物その他の刊行物の発行、④物理療法に関する学術研究活動の促進及び研究支援、⑤行政機関等に対する各種提言の検討及び実施、⑥国際的な研究交流の促進、⑦前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業などを推進してきました。
今期の理事長として、庄本先生の事業を踏襲するとともに、特に注力するテーマとして「物理療法に関する学術研究活動の促進と教育支援」を掲げています。学術研究活動の推進においては、研究助成や共同研究のプラットフォームを整備し、物理療法に関わる研究を支援します。また、近年の臨床研究法の改正に伴い変化する研究環境に対応するため、物理療法機器に関する情報整理や課題解決にも取り組みます。
さらに、医療職種の養成校における物理療法教育が十分でない現状も、大きな課題として認識しています。その結果、臨床の現場で物理療法機器を適切に使用できない、あるいは使用方法が分からないといったケースが少なくありません。この課題に対応するため、養成校の卒前・卒後教育の現状を整理し、本学会ではオンライン講座や現場密着型の実習を開催することで、学生から臨床経験者までが継続的に学べる体制を構築します。これにより、正しい物理療法の知識と技術を医療従事者および関連職種に広く浸透させ、医療の質的向上に貢献してまいります。
今後も日本物理療法学会は、学会員、臨床現場、養成校、関連企業等の皆様とともに、物理療法の価値を社会へ還元し続けることを目指します。そして、日本のリハビリテーション医療の発展に、全力で取り組んでまいります。そのために、皆様の多様な知見と情熱を結集し、物理療法学のさらなる発展と、対象者の利益への貢献をともに実現してまいりましょう。
結びに、今後とも皆様からの変わらぬご支援とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。