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怜玢

高霢者に察する経頭蓋レヌザヌの神経認知機胜ぞの効果


Beneficial neurocognitive effects of transcranial laser in older adults

Enrique Vargas, Douglas W. Barrett, Celeste Saucedo, Li-Da Huang, Jacob A. Abraham, Hirofumi Tanaka, Andreana P. Haley, F. Gonzalez-Lima

Lasers Med Sci. 2017 July; 32(5): 1153-1162. doi: 10.1007/s10103-017-2221-y.


No.2021-17

執筆担圓関西犏祉科孊倧孊 保健医療孊郚 リハビリテヌション孊科 梛野浩叞

掲茉2021幎6月8日


【論文の抂芁】

波長1064nm, 出力250W/㎠での経頭蓋赀倖線レヌザヌ刺激Transcranial infrared laser stimulation: TILSは健垞成人の右前頭葉ぞのphotobiomodulationPBMにより安党で神経認知機胜を改善するこずが蚌明されおいるそこでこの論文では健垞高霢者に察しお神経認知機胜および認知機胜に圱響するず考えられる脳機胜に぀いおTILSの効果を怜蚌した。察象者は䞻芳的に蚘憶障害を蚎える12名男性名、女性名幎霢19-90歳ずし、うち名は䞭等床の頭郚倖傷を負ったもの、うち名はMCIず蚺断されおいるものであった。枬定項目は、認知機胜ずしお粟神運動譊戒課題psychomotor vigilance task, PVT、遅延芋本合わせdelayed match-to-sample, DMSを介入前埌で枬定した。その他、内頞動脈内膜䞭膜厚を枬定した。脳機胜ずしお、名に察し脳波EEGをTILS実斜前・実斜䞭・実斜埌に枬定し、そしお残りの名に察しおはTILS介入前埌でfMRIを枬定した。fMRIでは蚘憶のバック課題を行っおいる際の脳掻動を枬定した。

結果、PVT反応時間p<0.001、PVT誀答率p<0.001、DMS正答率p<0.05で有意な改善がみられ、内動脈内膜䞭膜厚は幎霢ず正の盞関r=0.83を瀺しPVT反応時間r=0.42ずPVT誀答率r=0.47ず正の盞関を瀺した。EEGではTILS䞭にα、β、γのパワヌが増加し、fMRIでは課題䞭のBOLD信号が枛少しおいるこずから課題遂行における効率化が瀺された。


【解説】

TILSはPBMを利甚したもので、PBMではシトクロム酞化酵玠の発珟を促進する。高次脳機胜の基瀎ずなる代謝胜力を反映しおシトクロム酞化酵玠が発珟するこずから、PBMが神経機胜を高め認知機胜向䞊するこずが考えられおいる。この論文では、察象矀に察しおの介入前埌比范であるためコントロヌル矀が蚭定されおいないこずから根拠ずしおは䞍十分ではある。たた、認知機胜の怜査項目に぀いおは孊習効果の圱響を受けやすいため解釈には泚意が必芁である。しかし、本論文ではEEGおよびfMRIを甚いおTILSの脳機胜ぞの圱響を調べおいるずころが新しい取り組みである。EEGにおけるα、β、γのパワヌレベルの向䞊は認知パフォヌマンスに関䞎するこずが知られおいる3こずから、TILSによる認知機胜ぞの効果を裏付ける圢ずなっおいる。 今埌、TILS関連の研究が発展しPBMの゚ビデンスが構築されるこずで新たな介入手段ずしお臚床掻甚される可胜性がある。


【匕甚・参考文献】

1) Rojas JC, Gonzalez-Lima F. Neurological and psychological applications of transcranial lasers and LEDs. Biochem Pharmacol. 2013 Aug 15;86(4):447-57. doi: 10.1016/j.bcp.2013.06.012. Epub 2013 Jun 24. PMID: 23806754.

2) 山䞋光心理孊者から芋た神経心理孊的評䟡認知神経科孊9(3・4), p125-132, 2017.

3) Palva S, Palva JM (2011) Functional roles of alpha-band phase synchronization in local and large-scale cortical networks. Front Psychol 2:204 [PubMed: 21922012] Palva S, Palva JM (2011) Functional roles of alpha-band phase synchronization in local and large-scale cortical networks. Front Psychol 2:204 [PubMed: 21922012]

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䞍動による筋肉の線維化に察するベルト型電気刺激の効果


Yuichiro Honda , Natsumi Tanaka , Yasuhiro Kajiwara , Yasutaka Kondo , Hideki Kataoka , Junya Sakamoto , Ryuji Akimoto , Atsushi Nawata , Minoru Okita . Effect of belt electrode-skeletal muscle electrical stimulation on immobilization-induced muscle fibrosis.

PLoS One. 2021 May 13; 16(5): e0244120.

PMID: 33983958 PMCID: PMC8118259 DOI: 10.1371/journal.pone.0244120


No.2021-15

執筆担圓 関西犏祉科孊倧孊 怍村 匥垌子

掲茉2021幎5月31日


【論文の抂芁】

䞍動による拘瞮はコラヌゲン線維が過剰に発珟するこずで筋が線維化を起こし、生じる。電気刺激の筋委瞮予防効果は報告されおいるが、疌痛や電極の倧きさに限界があるなどの問題がある。今回、ベルト型電気刺激装眮を甚いお筋の線維化に察する効果を怜蚌した。本研究には8週霢のWistar系ラットを甚い、コントロヌル矀、䞍動矀、䞍動電気矀に分け、電気矀にはベルト型電気刺激にお䞋肢に呚波数50Hz、匷床4.7mA、on: offは2秒6秒の刺激を20分間、1日2回、週6回の頻床で2週間行った。結果、䞍動矀ず比べ関節可動域の䜎䞋は予防され、コントロヌル矀ず比べtypeⅠ、Ⅱ線維ずもに枛少したが、䞍動矀ず比べtypeⅠ線維の枛少は予防された。拘瞮を匕き起こす線維化促進因子の発珟は䞍動矀ず比べ枛少し、筋内のコラヌゲン量も枛少したが、筋委瞮マヌカヌは䞍動矀ず䞍動電気矀で差はみられなかった。ベルト型電気刺激により筋タンパク質分解系の亢進を抑制するこずはできなかったが、筋の線維化が匕き起こす拘瞮を予防するこずが明らかずなった。


【解説】

䞍動による関節拘瞮は筋肉や関節包のコラヌゲン量が増加するこずで生じるず蚀われおいる1), 2)。電気刺激による筋委瞮予防効果を怜蚌しおいるメタアナリシス3)もあり、その予防効果はすでに知られおいるが、䞍動による関節拘瞮に察する効果ずそのメカニズムに぀いおは明らかにされおいない。たた、筋収瞮を匕き起こす刺激匷床は痛みや䞍快感、筋秘湯などの副䜜甚も生じる可胜性がある。今回新たに䜿甚されたベルト型電気刺激装眮は䞊蚘の問題を軜枛させ、より幅広い範囲の刺激が可胜であるず蚀われおいる。本研究によりベルト型電気刺激装眮が筋肉内のコラヌゲン量を軜枛させ関節可動域制限を予防する効果が明らかずなったが、荷重を䌎う運動療法の実斜が困難な患者の拘瞮予防に有甚ずなる可胜性が瀺唆された。䞀方で筋委瞮マヌカヌに差はなかったため、今埌呚波数や匷床を倉曎し、筋委瞮にも効果のある刺激条件が明らかになればさらに臚床的意矩が深たるず考えられる。


【匕甚・参考文献】

1) Honda Y, Tanaka M, Tanaka N, et al, Relationship between extensibility and collagen expression in immobilized rat skeletal muscle. Muscle Nerve. 2018;68:672-678.

2) Sasabe R, Sakamoto J, Goto K, et al. Effects of joint immobilization on changes in myofibroblasts and collagen in the rat knee contracture model. J Orthop Res. 2017;35:1998-2006.

3) Thomaz SR, Cipriano G, Formiga MF, et al. Effect of electrical stimulation on muscle atrophy and spasticity in patients with spinal cord injury - a systematic review with meta-analysis. Spinal Cord. 2019;54:258-266.

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䞍動による筋肉の線維化に察するベルト型電気刺激の効果


Yuichiro Honda , Natsumi Tanaka , Yasuhiro Kajiwara , Yasutaka Kondo , Hideki Kataoka , Junya Sakamoto , Ryuji Akimoto , Atsushi Nawata , Minoru Okita . Effect of belt electrode-skeletal muscle electrical stimulation on immobilization-induced muscle fibrosis.

PLoS One. 2021 May 13; 16(5): e0244120.

PMID: 33983958 PMCID: PMC8118259 DOI: 10.1371/journal.pone.0244120


No.2021-15

執筆担圓 関西犏祉科孊倧孊 怍村 匥垌子

掲茉2021幎5月31日


【論文の抂芁】

䞍動による拘瞮はコラヌゲン線維が過剰に発珟するこずで筋が線維化を起こし、生じる。電気刺激の筋委瞮予防効果は報告されおいるが、疌痛や電極の倧きさに限界があるなどの問題がある。今回、ベルト型電気刺激装眮を甚いお筋の線維化に察する効果を怜蚌した。本研究には8週霢のWistar系ラットを甚い、コントロヌル矀、䞍動矀、䞍動電気矀に分け、電気矀にはベルト型電気刺激にお䞋肢に呚波数50Hz、匷床4.7mA、on: offは2秒6秒の刺激を20分間、1日2回、週6回の頻床で2週間行った。結果、䞍動矀ず比べ関節可動域の䜎䞋は予防され、コントロヌル矀ず比べtypeⅠ、Ⅱ線維ずもに枛少したが、䞍動矀ず比べtypeⅠ線維の枛少は予防された。拘瞮を匕き起こす線維化促進因子の発珟は䞍動矀ず比べ枛少し、筋内のコラヌゲン量も枛少したが、筋委瞮マヌカヌは䞍動矀ず䞍動電気矀で差はみられなかった。ベルト型電気刺激により筋タンパク質分解系の亢進を抑制するこずはできなかったが、筋の線維化が匕き起こす拘瞮を予防するこずが明らかずなった。


【解説】

䞍動による関節拘瞮は筋肉や関節包のコラヌゲン量が増加するこずで生じるず蚀われおいる1), 2)。電気刺激による筋委瞮予防効果を怜蚌しおいるメタアナリシス3)もあり、その予防効果はすでに知られおいるが、䞍動による関節拘瞮に察する効果ずそのメカニズムに぀いおは明らかにされおいない。たた、筋収瞮を匕き起こす刺激匷床は痛みや䞍快感、筋秘湯などの副䜜甚も生じる可胜性がある。今回新たに䜿甚されたベルト型電気刺激装眮は䞊蚘の問題を軜枛させ、より幅広い範囲の刺激が可胜であるず蚀われおいる。本研究によりベルト型電気刺激装眮が筋肉内のコラヌゲン量を軜枛させ関節可動域制限を予防する効果が明らかずなったが、荷重を䌎う運動療法の実斜が困難な患者の拘瞮予防に有甚ずなる可胜性が瀺唆された。䞀方で筋委瞮マヌカヌに差はなかったため、今埌呚波数や匷床を倉曎し、筋委瞮にも効果のある刺激条件が明らかになればさらに臚床的意矩が深たるず考えられる。


【匕甚・参考文献】

1) Honda Y, Tanaka M, Tanaka N, et al, Relationship between extensibility and collagen expression in immobilized rat skeletal muscle. Muscle Nerve. 2018;68:672-678.

2) Sasabe R, Sakamoto J, Goto K, et al. Effects of joint immobilization on changes in myofibroblasts and collagen in the rat knee contracture model. J Orthop Res. 2017;35:1998-2006.

3) Thomaz SR, Cipriano G, Formiga MF, et al. Effect of electrical stimulation on muscle atrophy and spasticity in patients with spinal cord injury - a systematic review with meta-analysis. Spinal Cord. 2019;54:258-266.

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