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慢性腰痛者に対する体外衝撃波治療:無作為化対照試験の系統的レビューとメタアナリシス

更新日:2022年2月20日

慢性腰痛者に対する体外衝撃波治療:無作為化対照試験の系統的レビューとメタアナリシス


Extracorporeal Shockwave Therapy for Treating Chronic Low Back Pain: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials.

Lei Yue , Ming-Shuai Sun , Hao Chen , Guan-Zhang Mu , Hao-Lin Sun

PMID: 34840977 PMCID: PMC8617566 DOI: 10.1155/2021/5937250


No.2022-02

執筆担当:長崎リハビリテーション学院 森 健次郎

掲載:2022年2月10日


【論文の概要】

慢性腰痛(CLBP)の生涯有病率は23%とされており、社会的・経済的に与える影響は大きい。疼痛に対する治療戦略として、体外衝撃波治療(ESWT)は腱炎、足底筋膜炎、上腕骨上顆炎、および他の筋骨格系障害の治療において推奨されている。しかしCLBPに対するESWTの効果は不明確である。そこで、過去10年間に、CLBPに対するEWSTの効果を調査した。2021年4月30日までの期間で3ヶ月以上腰痛が持続する者を対象にESWTの効果を比較した論文を電子データベース、試験登録、およびウェブサイトを検索し関連研究を採用した。最終的に採用されたRCTの論文はベースラインから1ヶ月、3ヶ月まで疼痛強度と能力障害について報告した10件であり、1ヶ月ではESWT群では疼痛強度、能力障害は有意に改善を示した。3ヶ月では、疼痛強度は有意な改善を認めず、能力障害の改善を認めた。


【解説】

 CLBPに対する介入として、運動療法1)、認知行動療法2)、薬物療法3)等がある。しかし、CLBP治療に対するESWTの有効性を支持する十分なエビデンスがないと結論づけられており、現在の臨床ガイドラインでは、CLBPに対するESWTは推奨されていない。今回の結果では、1ヶ月後に疼痛、能力障害の改善、3ヶ月のフォローアップにおいても能力障害の改善を認めた。今回の報告では、採用された論文の数が少なく、ESWT単独とESWT併用どちらも採用されているため、不透明な点があるが、CLBPに対するESWTの介入効果のエビデンス構築として一考の価値があるとおもわれる。


【引用・参考文献】

1) Chou R, et al.: Nonpharmacologic therapies for low back pain: A systematic review for an American College of Physicians clinical practice guideline. Ann Intern Med. 2017; 166: 493-505.

2) Williams AC, et al.: Psychological therapies for the management of chronic pain (ewcluding headache) in adults. Cochrane Database Syst Rev.2012; 11: CD007407.

3) Enthoven WT, et al.: Non-steroidal anti-inflammatory drugs for chronic low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2016; 2: CD012087.


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